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セミナーレポート

マルチクラウド活用の課題と処方箋とは?VMware 最新アップデートセミナー

企業のクラウド活用はますます加速し、マルチクラウドへ移行する企業も増えています。しかしマルチクラウドの活用には、IT管理者、開発者、利用者それぞれの視点で解決しなければならない課題が多く存在しています。そこでマルチクラウドの複雑性を解決するために、昨年のVMworldにおいてヴイエムウェアが新たに発表したコーポレート ビジョンが、VMware Cross-Cloud Servicesです。ヴイエムウェアが開催したセミナー(6/29, 7/5, 7/13で同内容を実施)では、ユースケースや事例も交えてマルチクラウドについての最新アップデートを紹介しました。本記事では、セミナーの概要をお届けします。

柔軟性と管理の両立〜ヴイエムウェアが描くマルチクラウドのビジョン

セミナーの冒頭では、コマーシャルSE本部 本部長 草野 繁から、マルチクラウドへの移行が進む背景と課題、そしてヴイエムウェアが目指すビジョンについて解説がありました。

業種を問わずクラウドサービスの利用が加速しています。その流れに沿って、多くの企業が、さまざまなクラウドから最適なサービスを採用することで、イノベーション創出につながる柔軟な環境づくりを目指しています。一方で、単一のクラウドプロバイダーへの依存を回避したいという声も多く聞かれます。その結果、たくさんのアプリケーションが、複数のパブリッククラウドやプライベートクラウドなど様々な環境を含む、マルチクラウドで稼働するようになりました。

一方、マルチクラウド化は同時にいくつかの課題をもたらします。今、利用されるクラウドとアプリの数は増え続けています。さらに、ユーザーがアクセスする場所も、テレワークの普及などにより多様化が進んでいます。時間を経るにつれてより複雑化しつつあるマルチクラウド環境に、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

次に、利用者とIT部門の立場から、マルチクラウドの課題を整理してみましょう。クラウドの利用者としては、開発者や業務部門の従業員が考えられます。開発者は、開発に必要なクラウドを自由に使いたいと考えています。また開発するソフトウェアを実行場所として最適なクラウドで動かしたいとも考えています。また従業員は、場所を問わず、業務に必要な様々なクラウドアプリケーションを使いたいと考えています。一方IT部門からすれば、利用者にあまりに自由な環境を許してしまうと、セキュリティの担保ができなくなります。開発環境や実行環境を統制する、利用可能なクラウドを特定のものに制限するなど、何らかのコントロールをしたいというご要望は多いでしょう。そこで目的やリスクに応じて、ある時は運用を優先してクラウド利用に制限をかけたり、ある時はセキュリティを度外視して開発の自由度を優先したり、といったユースケースが考えられます。企業としては、利用者の自由度とIT部門によるコントロールのどちらか一方に軸足を置いたマルチクラウド利用にならざるを得ないのが、これまでの実情ではないでしょうか。

そこでヴイエムウェアは、企業にとってのマルチクラウドのメリットを最大化するため、相反するニーズである柔軟性とコントロール性を両立したクラウド活用を支援したいと考えています。そのための取り組みが、VMware Cross-Cloud Servicesです。具体的には、以下の5つの要素から構成されます。

  1. 様々なクラウドでのアプリ開発と実行環境を支援するVMware Tanzu
  2. ハイブリッドクラウドで既存資産を含むアプリの実行を担うクラウドインフラVMware Cloud
  3. 様々なクラウドを一気通貫で管理するVMware vRealize Cloud
  4. 様々なクラウドへのネットワーク接続を支援し、セキュリティを担保するVMware Carbon Black Cloud + NSX Cloud
  5. 物理的な制約のない業務環境を実現し、様々な場所から様々なクラウド上のアプリ利用をサポートするVMware Workspace ONE + VMware Edge

これらの取り組みを通してヴイエムウェアは、利用者の自由度と、IT部門による管理やセキュリティの担保を両立したマルチクラウド活用を実現します。そして、企業のアプリ開発や、最適なクラウド利用を推進し、お客様のイノベーションを加速する基盤を提供したいと考えています。

マルチクラウドの課題とユースケースを主要な3つの領域に分けて解説

続いて、クラウドプラットフォーム技術統括部 統括部長 古山 早苗による、ユースケースを交えたマルチクラウドの課題とソリューション紹介が行われました。ここから先は、マルチクラウド活用における3つの主要な領域に沿って、深掘りしていきましょう。

クラウドインフラの視点

クラウド変革が、収益の増加やコストと工数の削減など、確かなビジネスの成果に繋がることは疑いの余地はないでしょう。それにもかかわらず、多くの企業が、なかなかクラウド変革が進まないと感じているのも事実です。その要因として、3つの課題が挙げられます。1つは、柔軟性に欠けるインフラです。既存のデータセンターのインフラが老朽化して、クラウド化するには古すぎることが足枷になっています。一方、新しいクラウドを使うにも、一貫性に欠ける運用がネックとなります。それぞれのクラウドごとに運用の習得やコンプライアンスの検討など、複雑な管理を強いられることになります。また、アプリの移行は非常に難易度が高いと言われています。単にクラウドへ移行するだけでも一年もの時間を要することが多く、モダナイゼーションも行うとなると、さらに時間がかかってしまいます。ビジネスにとってスピードが重要と言われる中で、これでは本末転倒です。

これらの課題に対して、ヴイエムウェアが提供するソリューションがVMware Cloudです。VMware Cloudは、マルチクラウドを仮想化するようなイメージで、オンプレミスやパブリッククラウドの違いを隠蔽します。運用チームには、複数のクラウドに渡る単一のコントロールプレーンの提供や自動化・最適化の提供により、一貫性のあるクラウド運用を可能にします。また開発者には、ワークロードの特性に応じた、最適な方法でのアプリモダナイゼーションをサポートします。

VMware Cloudによるクラウド変革に成功した事例をご紹介しましょう。あるサービスプロバイダーの企業では、VMware vSphereベースのオンプレミス環境に多数の仮想マシンが稼働し、AWSネイティブ環境と並行して利用していました。オンプレミスからクラウドへの移行を計画するにあたって、オンプレミス環境を直接AWSネイティブ環境に移行するのは、時間やコストの観点で現実的ではないと判断しました。そこで両者の橋渡しとして、VMware Cloud on AWSを採用することで、オンプレミスとクラウド間で一貫性のあるアーキテクチャにより、シームレスで現実的なクラウド移行を推進することができました。

VMware Cloud on AWSはヴイエムウェア自身によるマネージドサービスですが、さまざまなパブリッククラウド上でも、パートナー管理の下でVMware Cloudを利用することができます。VMware Cloudをご活用いただくことで、マルチクラウドの世界にシームレスに移行することができます。

クラウドネイティブアプリとプラットフォームの視点

インフラには、必ずその上で動かすアプリケーションが伴います。そしてビジネスの継続やイノベーションには、アプリケーションの成長が欠かせません。しかし、アプリケーションの視点でも、解決しなければならない課題が3つあります。1つは、開発環境とインフラの管理が分断され、サイロ化してしまいがちなことです。Kubernetesのような高度なテクノロジーを用いたクラウドネイティブアプリでは、むしろ、インフラとアプリをつなぐプラットフォームの重要性が増しており、プラットフォームチームを介した一体性のある運用が求められています。また分散化したマルチクラウドの下で、安定した本番環境を構築するのはとても大変で、やはりアプリのリリースを遅らせてしまいます。さらに分散化したマルチクラウドは容易にシャドーIT化する危険をはらんでおり、コストの最適化やセキュリティの管理に漏れが生じてしまう恐れがあります。

これらの課題解決に貢献するヴイエムウェアのソリューションが、 Kubernetesを中心にしたアプリケーションプラットフォームであるVMware Tanzuと、マルチクラウドの可視化とガバナンスを担うCloudHealth by VMwareです。開発環境と管理のサイロ化に対しては、Tanzuがプラットフォームチームによるマルチクラウドでの一貫した構成管理を提供します。同時に、Tanzuはプロビジョンニングの高速化やセルフサービス化により、開発者の生産性を5倍向上させ、アプリケーションの迅速なリリースを可能にします。また、CloudHealthは、マルチクラウドによるコストの無駄や、ガバナンスの不備を可視化し、セキュアで信頼性の高いマルチクラウド運用の実現に貢献します。

Tanzuを活用して、ビジネス競争力を高めた事例をご紹介しましょう。ある海外のヘルスケア企業では、アプリケーション・デリバリの高速化が課題でした。マルチクラウドでKuberenetesを利用していましたが、一貫性の欠如により、開発者と運用者双方の負担が増していました。そこでTanzuを採用することで、マルチクラウドで一貫した開発者体験を実現し、開発者がインフラを意識せずアプリ開発に集中できる環境を整えました。その結果、アプリをよりスピーディーにリリースできるようになり、ビジネスのニーズを満たすことができるようになりました。

物理的な制約のない業務環境

ここ数年で働き方は大きな変化を遂げました。自宅や遠隔地といった様々な場所から業務環境にアクセスする、ハイブリッドな働き方が標準になりつつあります。そのような状況下でのマルチクラウドは、インフラとアプリだけでなく、その上でビジネスを行うエンドユーザーにとっても、円滑に業務を行える環境である必要があります。しかしここで問題になるのは、セキュリティ対策とレガシーなテクノロジーが噛み合わず、従業員体験を損なっている現状です。その結果、セキュリティの懸念が払拭できず、運用上の負荷も高い状態が続いています。

これらの課題に対してヴイエムウェアが提供するプラットフォームが、デジタルワークスペース、Secure Access Service Edge、エンドポイントセキュリティを統合したAnywhere Workspaceです。従業員体験の向上と、ゼロトラスト セキュリティ、ワークスペースの自動化を両立し、好きな場所から安全かつ快適に業務を行える、物理的な制約のない業務環境を提供します。同時に運用の複雑さを解消し、ユーザーとIT部門の双方にメリットをもたらし、ビジネスの成功に貢献します。

ある海外のシステムインテグレーターは、物理的な制約のない業務環境を、自社のビジネスの成長に繋げました。世界的にテレワークへの移行を余儀なくされ、多くの企業が事業継続に苦慮する中、同社はヴイエムウェアの支援とテクノロジーを活用することで、迅速にテレワークに移行し、事業継続と新たな顧客獲得に成功しました。同社の勝因は、Anywhere Workspaceを活用して、デバイスの支給、ソフトウェアのインストール、セキュリティ設定まで自動化し、リモートからでも従業員が迅速に作業できる環境を整備したことです。その結果同社は、危機的な状況にも関わらず、創業以来最高の収益を得ることができました。

お客様のNext Stepを支援する取り組み

最後に、コマーシャル営業統括本部 統括本部長 槙田 政司が、お客様のマルチクラウド活用を成功に導くための様々な支援サービスについて、事例を交えて紹介しました。

例えば、ワークショップによる支援の事例です。次世代クラウド基盤の検討にあたり、まずはお客様とのディスカッションを通して、AS IS(現状)とTO BE(あるべき姿)を明らかにし、必要なソリューションやアーキテクチャを洗い出します。計6回のワークショップを経て、最終的には上申に必要なROI算出も共同で行いました。

さらにツールによる支援の形もあります。あるお客様は、次世代基盤の検討にあたって、既存環境の詳細が把握できていないことが課題でした。そこで、Live Opticsというツールを用いて、仮想基盤のvCenterからCPU・メモリ・ディスクなどの利用状況を取得して、現状のリソースや、次世代基盤に必要なスペックを可視化しました。

このようにヴイエムウェアは、お客様の課題に応じて、製品の紹介だけではなく、さまざまな形でご支援をしています。ヴイエムウェアは、お客様にとって、マルチクラウドの活用に必要な支援とソリューションを、最適な形で提供できるパートナーでありたいと考えています。


セミナーのご案内

VMware Cross-Cloud Servicesについてさらに詳細を知りたい、技術的に理解したいという皆様に向けて、今後もさまざまなセミナーを開催予定です。ぜひご興味のあるイベントにお申し込みください!

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クラウドネイティブ アプリ プラットフォーム

物理的な制約のない業務環境

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