EVOLVE ONLINE Special Interview #1 【前編】
ヴイエムウェア株式会社 代表取締役社長 山中 直

2021年1月に、新たにヴイエムウェア株式会社 代表取締役社長に就任した山中に、今後目指している方向や、日本のお客様や自社への思いについて話してもらいました。

――まずは自己紹介をお願いします。

出身は広島県、社会人としてのキャリアは国内大手IT企業で製薬企業向けの営業がスタートでした。 2007年7月に当時30名ぐらいだったヴイエムウェアに入社し、金融業界向けの営業担当からエンタープライズビジネス全般に関わってきました。

――改めて、VMwareが目指しているビジョンについてお聞かせください。

サーバの仮想化を原点として、ネットワークやストレージへ領域を広げ、Software-Defined Data Center(SDDC)というアーキテクチャに結実しました。ITにおけるサイロをブリッジしてきたということです。いよいよそのワークロードがクラウドにも展開し始めていて、新たにオンプレミスとクラウド、エッジまで抽象化していく。最終的には1つの管理コンソールから論理的なデータセンター、またはクラウドに仕立てていくというのが非常に重要と考えています。

さらに、アプリケーションのレイヤーにおいてはモノリシックなアプリケーションがあるなか、モダンアプリケーションが出てくる、ここに生まれうる新たなサイロももちろん抽象化レイヤーをかけて、管理を統合していきましょうということです。VMware Cloudという抽象化のレイヤーとVMware Tanzuという抽象化のレイヤー、この2つが重要になります。

最終的には、日本における“Digital Foundation”、どこでも稼働できるし、どこでもワークロードを展開できるし、新しいワークロードも既存のワークロードも管理が可能となる世界、これが目指しているビジョンです。

――日本市場に対する思いや考えをお聞かせください

我々がビジネスをしているこの社会に対して、テクノロジーを通して如何に繋がることができるか、常に考えています。テクノロジーによって日本の社会または日本のお客様が変革していく、そこをご支援することが我々のミッションだと思っています。

変革の柱は“People, Process, Technology”の3つです。
Technologyは製品やサービスという形で目の前にあることが多いので、比較的取り組みやすいのではないでしょうか。一方でPeople、つまり人の想い、いかにリスクにチャレンジしていくか、いかにビジネスをリードしていくか、ITをどのように活かしたいかという部分、そして、Process、これは変革していくプロセスや仕組み、カルチャーという部分、この2つを如何に進化させていくかがすごく重要だと感じています。 我々はこれまで先進的なテクノロジーを提供してきたと自負していますし、今後も提供してまいります。ただそれだけでは不十分で、PeopleとProcessも含めてお客様またはパートナー企業様と共に変革していくということにフォーカスしたいなと考えています。

すごくシンプルな言い方をすると、我々と関わっていただいているお客様やパートナー企業様を、どんどんかっこよくしていきたい。かっこいい人を支援したい。そう考えると、これほどデジタルテクノロジーがビジネスの変革に影響を及ぼすこの時代は、まさに大きなチャンスなのです。

――ただ、日本特有の難しさは無いでしょうか?

日本ではITプロフェッショナルの7割がパートナー企業の中にいらっしゃって、残り3割がお客様の中にいらっしゃいます。そこを考えると、デジタルテクノロジーで変革していくには日本独自のアプローチも必要なんじゃないかと思っています。お客様や社会に変革していただくために、パートナー企業の皆さんと共に我々が変革していくことが凄く重要であると思っています。

例えば、今の環境下で、モダンアプリケーションがどこまで進むかという議論があります。 過去、アプリケーションを部品化するトレンドがありましたが、外部依存が高かったために浸透しきれなかったのではないかと感じています。そして、今はマイクロサービスです。 これも、まずはお客様がスタンダードを作っていかない限り、外部のリソースだけで対応することは難しいと思います。内製化する範囲と外注する範囲をお客様がきちっと分けて進行しなければ難しい。今、お客様は変革に向けて模索されている。

パートナー企業は、お客様が内製化やアジャイルを推進されることで、従来のウォーターフォール的な請負スタイルを変えていかなければならないことに悩んでいらっしゃる。 パートナー企業とお客様ともに変革していかなければならない時代。我々は、それぞれのインナーサークルに入って、一緒に考え課題を定義し、方向性を導き出して共に歩んでいく。そういうことが重要だと考えています。

また、最近は働く環境や社会情勢の変化から、これは抽象的な表現になりますが、だんだん「魂のこもったシステム」が減ってきていると感じています。時代の変化の中で、お客様、パートナー企業ともに手掛けるシステムやサービスに対して志や気持ちが持てないことが増えているように思います。やっぱり、魂のこもったシステムっていうのはすごく重要だと思います。そこに名前を付ける、意味合いをつける、それだけで魂ってこもるものだと思います。古めかしい話ですがそういうこともすごく重要だと思っています。

――日本のお客様の反応はいかがですか?

少しずつ変わってきたかなと思います。
1つの要因はコンシューマITの異常なほどの進化だと思います。例えば、FacebookやLINE、実は凄い複雑な仕組みですが皆さん易々と使いこなしています。このようなコンシューマITの進化がエンタープライズITに初めてプレッシャーを与え始めた。

さらに、どこの国でもスマートフォンひとつですべてにリーチできるわけです。これによってデジタルテクノロジーというものの位置付けは大きく変わってきました。 そういう意味で時代が変わってきたのだと思います。ただ、そのためには、ものすごく古い仕組みもあり、3年後の姿を描いたとしてもすぐにたどり着けるわけではありません。3年後の姿に向かって、まずは明日何から手を付けるかという視点にブレイクダウンしなければならない。それが、カスタマージャーニーです。

カスタマージャーニーを共有できれば、お客様と一緒に歩んでいくことができるのではないかと思います。
今まさにフォローの風が吹いているのは間違いないと思います。

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